REPORT WORKSHOP
The Day WORKSHOP #007　IT CAMP×OGATSU 20130119-20 石巻雄勝ITキャンプ

2012年10月にイトナブ、sweet treat311、TETSU-LAW＆Co.のコラボレーションにより、石巻で初めてTheDayを開催して早3ヶ月。今回2回目の開催となりました。

皿貝で実施した前回は、里山を歩き撮影し、お寺で編集するというものでしたが、今回は雄勝の「今」を撮影し、一本の作品にして残そうというもの。雄勝町は海沿いにあり、震災で大きな被害を受けた町です。ワークショップの前日、明るいうちに雄勝に到着したThe Dayチームは、Sweettreat311安田さんの案内のもと、撮影スポットを下見して回りました。雄勝の中心地、原っぱのように一瞬見えた広々とした土地は、かつて家々が立ち並んでいた場所。近付くと、家の基礎が残っていて、ここが町であったことがようやく分かりました。参加する大半の子がこの地区の子どもで、ぽつんと残る小学校は、The Day WORKSHOPの直後から取り壊しが始まるとのこと。
それから、仮設商店街、神社、船着場などを下見して回りました。一ヶ所ごとに丁寧に説明してくれる安田さんに、こちらの気持ちも引き締まる思いになりました。

WORKSHOPの拠点となるのは雄勝アカデミー。大小６部屋ほどある一軒家で、大人も子どもも寝泊りし、編集作業もこちらで行います。前回もご一緒したスタッフの皆さんと、雄勝アカデミーで再会です。おいしいご飯をご馳走になったあと、当日の段取りなどを細かく確認し、あっという間に就寝。

一夜明けて、準備が整ったところに子どもたちが到着。少し緊張した面持ちで玄関から入ってきたのは小学4年生から6年生まで、男の子6名、女の子8名、総勢14名の子どもたち。みんな、自らやりたい、と手を挙げた子たちだそうです。


オリエンテーションでは、The Dayの始まりについて、話をしました。ここ石巻がきっかけだったということ、今日という日はかけがえのない日だということ、みんなと一緒に今の雄勝を撮って残そうとしていること。そして、iPhone、iPadを配って操作方法を覚えたら、いよいよ出発です。大人3～4人、子ども2～3人で1チーム、全部で5チームに分かれて、車に乗り込みます。




＜スタッフから見た撮影の様子＞
「最初にプライベートビーチに行った我々、海が怖いとは思わず、水とキャッキャ言いながらはしゃぎ撮影。　撮影をしながらそれぞれのこだわりや個性が垣間見えました。　コンテナのお店で撮影している時は、お店のおばさんと会話をして、撮影をするだけではないヒトとの繋がりがそこに生まれている事を感じました。　いつも思うのが撮影をしていない時の会話、それもすごくいろいろな事を話して、The Day WS を通して今の雄勝の子供たちを感じる事ができてよかった」TETSU-LAW

「まず私のいたC班は雄勝の硯(すずり)職人のいらっしゃる、エンドーすずり館にお邪魔しました。
職人の遠藤さんはとても親切で、硯石は固さが五段階に分かれていることや、削り方など丁寧に教えて下さいました。実際に子ども達も削ってみることで、すずりを削ることの難しさを感じたようでした。
そこから小学校周辺を撮影。変わり果てた母校を撮影する子ども達の姿は見ていてとても感じるところがありました。
昼食後の船上撮影は皆寒さも忘れテンションが上がっていました。波を撮影していた子がいたけど、目の付けどころがいいなぁと感じました。」SANA

「最初は少しぎこちなく、うまくコミュニケーションが取れなかった二人。当初コースに予定していた『お花畑』が、何にもない場所で、大人たちががっかりしていたところ、R君が『森林公園に行こう！』と提案してくれました。車の道案内までしてくれたR君は徐々に撮影にも集中していくのが分かりました。R君と一緒にいた男性スタッフによると、雄勝小学校を撮影しながら、震災のときのこともいろいろと話してくれたそうです。もう一人のHちゃんは、じっくりと観察して撮影するタイプ。船では少し酔ってしまいましたが、最後までがんばりました。」RITZ
5チームに分かれての撮影でしたが、最後は全員一緒に漁船に乗っての撮影。美しい海や山を撮影したり、操縦室に入ってみたり・・・寒かったけど、楽しいクルーズでした！




雄勝アカデミーに戻ると、編集用のシートが配られ、どのカットを何秒使うかを大人のスタッフと一緒に考えていきます。大体の構成が決まったら、編集作業に入ります。実際に映像を見ながら編集作業を進めるうち、子どもたちが真剣になっていくのが分かります。形になっていくことは面白い。その面白さに気付いてくれたのであれば嬉しいなあ。

編集作業が一段落したところで、子どもも大人も車で30分ほどの温泉へ。天気こそ良かったものの、雪の残る雄勝の町を歩き回ったり、一時間近く船に乗ったりしましたので、温泉は本当に気持ちよかった！
温泉から戻ると、待っていたのは大人も子どもも大好きなカレーライス。みんなお腹いっぱい食べて、その後は大騒ぎ！眠りにつくまで、楽しいパジャマパーティは続きました。その間、The Dayチームは黙々と編集用の部屋で子どもたちの映像の仕上げやチェックなどを行いました。

一夜明けた日曜日の朝。いよいよお楽しみの大上映会です。一人ひとりの「The Day」を上映し、撮ってるときに感じた雄勝の良さや、撮影・編集して思ったことなどを発表しました。上映の最後には、各チームでスタッフが撮影した映像を、一本の「The Day」にしたものを上映しました。真剣に被写体と向き合う姿に寄り添うような大人スタッフの「The Day」は必見です。






＜スタッフ感想＞
「もう取り壊しになる小学校、今の彼らが自分達で映像におさめる。
この石巻で生まれたプロジェクトはまさにこういう事だと何度も実感しました。
大人が思っている以上にたくましい子供たち。　撮影の時は楽しそうにしていた子が
編集の時には全然いいの撮れていない！とやる気をなくしてしまった。
編集をしながらいいところを指摘して彼女の良さを引き出していく。
すっかり彼女は変わり、一番自分の作品を愛している様に思えました。感想も本当にすばらしく
教えるのではなく、引き出すものだと再認識をさせられました。　
初めての経験ですが自分の作品ができる事にワクワクしていました。　本当にありがとう！！」TETSU-LAW

「声に出して言われたわけではないのですが、子ども達には『今しか残せない雄勝』というテーマがちゃんと伝わっていたと思います。あとはどうやって子ども達をもっと撮影する気にさせるか(乗せるか)、が僕にとっての課題な気がしました。
子ども達とのふれあいは普段には無い経験で、自分が成長できる気がします。次回が楽しみです！」SANA

「過去最大の人数、しかも全員小学生という未知の領域でしたが、大勢のスタッフがそれぞれの役割を担い、本当に素晴らしい2日間となりました。むしろ、多くの子と向き合うことにより、撮影・編集ではこちらが学んだり気付いたりことも多く、今後の『The Day』は更に進化しそうな予感がしました。」RITZ



参加してくれた小学生の皆さん、そして共に今回の「The Day」を創ってくださったイトナブ、sweettreat311の皆さん、ボランティアスタッフの皆さん、本当にありがとうございました！

雄勝の子どもたちを、The Dayチームも応援していきたいと思います。
一日でも早い復興を願って。

【子どもたちの感想から】
★久しぶりに海を見て、やっぱり海ってきれいだなと思いました。雄勝の海はとても光り輝いていてとてもきれいでした。

★撮影している時は何気なく撮っていたけど、編集して完成すると何気なく撮った映像が物語になっていてすごかったです。一つ一つの映像を組み合わせると映画みたいになるんだなーって思いました。

★自分でこんなにできるとは思わなかったので、びっくりしました。またこういう機会があったらやりたいと思いました。

★雄勝は動物たちがたくさんいて、海がきれい！いろんな歴史が残っていてすごいと思った。

★みんなの映像を見て、雄勝のことがすごくよく分かった。

★海と山と川がキレイだった。雄勝が早く復興してほしいと思った。

★初めてで、大変だったけど、撮るのが面白かった。いつも見ているのより、カメラだとなぜか面白かった。いっぱい撮っても足りないときがあるんだなーと思った。


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